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子ども時代の逆境的体験がもたらすもの

保育園ルーム

子ども時代の経験が、その子どもが大人になった時に、どのような影響を与えているかに関する研究〔ACEs:Adverse childhood experiences(逆境的小児期体験)研究〕があります。

次の10項目が、子ども時代のこころのケガ(逆境的体験)になるかもしれないと言われています。

〔1.心理的虐待、2.身体的虐待、3.性的虐待、4.身体的ネグレクト、5.情緒的(心理的)ネグレクト、6.家族の離別、7.家庭内暴力の目撃(DV)、8.家族の物質乱用(アルコール・薬物)、9.家族の精神疾患、10.家族の収監〕。

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日本においても研究が行われ、18歳までに1つ以上の逆境的体験のある人は32%に上ると報告されています(藤原、2012)。

アメリカで、子どもが家庭内で18歳までに幾つの逆境的体験をしたかと、成人後の予後を調べました。その結果、逆境的体験の数が多ければ多いほど、健康リスクが高まることがわかりました。

子ども時代の逆境的体験によって、肥満、糖尿病、うつ、自殺企図、性感染症、心臓病、がん、脳卒中、肺疾患、骨折といった身体的・精神的問題が多く出ていました。ひきこもりや喫煙、アルコール依存、薬物依存、仕事の欠勤等の問題行動にもつながっていました。学業成績の低下、10代の反社会的行動の現れやすさ、生活に対する満足感の低さとの関連もありました。

 

日本でもこれから、このような研究が進められることでしょう。

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積極的にケアをする人間が「たとえ一人だけでも」身近にいれば、その後のネガティブな影響は和らげられることがわかっています。一人でもそのような大人を増やしていくことが社会に、私たちに、今求められています。