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研修効果

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小中高生徒指導を対象としたTIC研修の結果

表1.講義内容

〈小児科医から〉『子どもの話の聴き方』

  ・子どもの性の発達

  ・子どもにとっての「質問」の意味

  ・ありがちな面接と目標とする面接

  ・子どもの言語能力・発達段階の評価

  ・子どもとの面接におけるDo and Don't

〈精神科医から〉『性的な問題についてどう対応するか』

  ・トラウマインフォームドケアの定義

  ・トラウマの有病率

  ・ACEs(逆境的小児期体験研究)

  ・トラウマとなる出来事、影響、反応

  ・トラウマの脳への影響

  ・被害生徒/保護者への対応

    (理解ー観察ー安全な環境確保ー心理教育)

  ・加害生徒/保護者への対応(背景を知るー心理教育)

  ・学校全体の対応(クラスづくり)

(弁護士から)『被害者・加害者が未成年の場合の性犯罪の

 法的対応について』

  ・性犯罪の対応の難しさ

  ・被害者対応

  ・加害者対応

図2.研修前後の教職員の対応認識の割合(%)

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受益者の声

これまでは困難を抱えているかもしれない患者に出会ってもどうしていいかわからず正直面倒に思っていたが、

これからはつなげる先があるということで、安心して対応できるという楽な気持ちで対応できるようになった。

(医療従事者)

TICを学ぶまでは、生徒・保護者との対応上の問題についてただただ困難感を感じていたが、TICを学んでからは、

「ん?」「何か気になる」「なんでだろう?」と考えるようになった。そして、そこからさらに一日歩み寄って

生徒・保護者と話をすることで、もっと違う一面が見えてきて、対応解決への糸口が見えてくることもあった。

TICを学んだことで、自分たちの気持ちの持ち方もかわり、困難感というストレスが少し軽減したようにも思う。

(学校教員)

「これまで経験値の高い個別の助産師のみが社会的困難患者に対応していたが、スクリーニングがなされるように

なったことで、経験値の低いスタッフも課題を抽出できるようになった。抽出される課題やその後の対応の質も、

以前と比べて遜色なく、より広く標準化したケアを提供できるようになった。」

(産婦人科医師)

毎日毎日が忙しく、ミスを許されない環境のなか、赤ちゃんが亡くなったお母さんに対してもゆっくり気持ちに

寄り添うことができず不全感を感じていた。

アートやヨガのような自分と向き合うプログラムは医療スタッフにこそ必要なのではないかと思った。

(病院助産師)

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トラウマを理解する人が増えるとどんな社会になっていくのか

周囲にトラウマの理解がないために、誤解されてしまい、
更なるトラウマを負ってしまうことがあります(これを再トラウマといいます)。
そのような再トラウマ化を軽減・回避するためには、人々の行動の背景には
”何かあるかもしれない”と、いったん立ち止まって考えることが必要です。
トラウマのことを理解すると、相手にもっとやさしく接することができるかもしれません。
そして、そのような理解の輪が周囲に広がると、社会はもっと生きやすいところになります。

トラウマインフォームドケアの学びは、
何か決まった技法をみにつけることと同じではありません。


トラウマインフォームドケアとは、

存在する一つの考え方(a way of being)であり、

人々の経験を理解すること(understanding what people are going through)であり、

話し方(a way of talking)でもあり、

ケアを行う一つの視点(a way of offering care)なのだといわれまています。

 

「技法」の習得というよりも、「態度」の形成・変容に近いものです。
 

トラウマインフォームドケアの学びを深めることで、

自他ともの安心・安全な感覚を知り、意識できるようになります。

この学びが昨日よりも誠実で安定したサポートにつながります。

相手のみならず、自分にも優しくなることができるようになるでしょう。

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